利き目の測定とその活用について

 

「目にも利き目があることを初めて知った」と、利き目の測定で、お客様にお喜びいただけることがあります。今回は、さらに利き目とメガネの合わせ方について考えてみましょう。

<利き目とメガネの関係は?>
●両眼視力バランスの調整法

1)左右眼同等の補正視力が得られる度数バランスを基本とする。
2)左右眼の補正度数に差がある不同視では、弱度数側を適正補正とし、強度数側を弱補正とする。
3)左右眼の補正視力が完全に一致せず微妙に異なるときは、利き目を見やすい状態とする。利き目の視力低下は見づらさを感じやすいため、利き目を考慮した度数決定がなされる場合がある。

 

(例)右目が利き目の場合
R.V.(0.7 ×S-1.50D)L.V.(0.6 ×S-1.25D)
  (0.9 ×S-1.75D)   (0.9p×S-1.50D)
  (1.0 ×S-2.00D)   (1.0p×S-1.75D)
   (1.2 ×S-2.25D)   (1.2p×S-2.00D)
作製眼鏡   
R.V. (1.0 ×S-2.00D)
L.V. (1.0p×S-1.75D)

 

●異種不同視(片眼が遠視で他眼が近視)のときは、利き目の度数を優先し、他眼を違和感がでない範囲で調整する。

(例)右目が利き目の場合
R.V.(0.5 ×S-1.00D)L.V.(1.0 ×S+1.00D)
   (0.7 ×S-1.25D)  (1.0 ×S+0.75D)
    (0.9 ×S-1.50D) (0.8 ×S+0.50D)
    (1.0 ×S-1.75D)  (0.6 ×S+0.25D)
    (1.0 ×S-2.00D)   (0.4 ×S±0.00D)

作製眼鏡   
R.V. (0.9 ×S-1.50D)
L.V. (0.6 ×S+0.25D)

 

●十字乱視(片眼が軸90゜他眼が180゜)のときは、利き目の乱視補正を優先し、他眼を違和感がでない範囲で調整する。
(例)右目が利き目の場合
R.V. 0.5(1.2 ×S-0.75D C-0.75D A180゜)
L.V. 0.4(1.2 ×S-1.00D C-0.75D A90゜)

作製眼鏡   
R.V. (1.0 ×S-0.50D C-0.50D A180゜)
L.V. (0.8 ×S-0.75D)

 


<利き目が関連した最近のお客様事例>
●70歳代 男性 (利き目=右眼)
両眼視力では(1.0)あるにもかかわらず、利き目が白内障により視力が(0.6)に低下したため、見づらさを感じた。利き目でない左目の視力低下であれば、見づらさを感じず日常生活に支障はなかったと思われる。

 

●70歳代 男性 (利き目=右眼)
累進屈折力レンズご使用のお客様より、「近方が正面で見えず右にずらすと見える」との申し出があった。頂点間距離が広く近用アイポイントが両眼ともにずれていた。
利き目で見えるように、目標物を右にずらすと見えていた。

頂間距離が広く、近用アイポイントがずれて正面が見えない。利き目の前で見るようになる。
頂間距離が広く、近用アイポイントがずれて正面が見えない。利き目の前で見るようになる。
適切な頂間距離に調整すると、正面でしかも両眼視が可能となる。
適切な頂間距離に調整すると、正面でしかも両眼視が可能となる。

※累進屈折力レンズで近方が正面で見づらい原因として片眼PDの違い
  がありますが、利き目で見るためにずれるケースがある。

<利き目とは?>
 利き手や利き足があるように、利き目や利き耳があることも知られています。私たちは通常は両眼視を行っていますが、片眼で見なければならないような状況下ではいつも決まった側の目を使うようになっています。このとき使う側が利き目になります。
 眼科専門分野では、利き目のことを優位眼と呼び、斜視や弱視との関連で用いられます。私たちの調査したところでは、日本人の約65%は右目が利き目となっていますが、利き手などとの相関関係はありません。視力の良い方が利き目となることが多いように思いますが、必ずしも視力と利き目の相関関係もないと報告されています。
 スポーツの世界では、利き目が成績に関係することがあります。例えば射撃では、利き目に合わせて利き手を変えるように指導されます。すなわち、利き目が左の人は、たとえ右利きであっても左手で銃口を引くようにします。
 大リーガーの統計では、右が利き目の選手は投手が見やすい左打者になる方が打率か良いとのデータがあり、意識的に利き目を変えようと試みる選手もいます。しかし、利き目を変えることは、利き手や利き足を変えるより困難と言われております。

 

<利き目の測定方法は?>
 利き目の測定には、10通り以上の方法がありますが、代表的なものが
「穴あきカード法」と「指さし法」です。

穴あきカード法:
両眼開放状態で目標物を穴の中に入れ、次に片眼で見たとき見えている方が利き目です。


指さし法(ローゼンバッハ法):
両眼開放状態で目標物を指さし、次に片眼で見たときズレがない方が利き目です。

 


稀に、利き目が安定しないお客様があります。利き手にも両手が使える人がありますが、同様に考えるとよいでしょう。

コンテンツ提供:WOC

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