2013年

8月

18日

片眼PDとアイポイント高さの左右差 と眼鏡作製について

「左右眼の瞳孔中心の位置がかなり違うとき、作製PDの設定はどうすればよいか?」

 

今回は、下記のように左右眼のPDの違いやアイポイントの高さの違いがあるときの眼鏡作製について紹介します。


(例) RV:FPD36mm(0.9p×S-3.25D)Add+2.50D
    LV:FPD32mm(0.9p×S-2.50D)Add+2.50D

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1.片眼PDの左右差について


 ●単に片眼PDの差が大きい場合
  ・視線がレンズの光学中心を通るとき光学性能は最高となり、中心か
   らずれると収差やプリズム作用が発生する。したがって、片眼PDに
   差がある場合は、その差に合わせて光学中心を設定するのが基本
   である。
  ・単焦点メガネで、左右眼のPDに差をつけるとレンズの厚みの左右差
   が更に大きくなる場合には、美観を優先し、左右均等にPD設定する
   ことも考えられる。
   不同視眼鏡では、周辺部でプリズム作用の左右差が発生するため
   片眼PDで作製することが望ましい。
  ・上記事例では、近視度数の強い右眼のPDが広いため、厚みの目立
   ちやすい右眼側方のコバ厚が薄くなり、片眼PD通りに左右差をつけ
   て作製することが、美観的にもメリットがある。(逆偏心の場合を除く)

 

 ●斜視のため(外斜視あるいは内斜視)片眼PDに大きな差が
  あるように見える場合
   斜視眼に抑制があることが多い。
   この場合は片眼遮閉状態で左右眼のPDを測定し、作製PDとする。

 

 

2.アイポイント高さの左右差について


 ●左右眼の高さの違いに合わせて光学中心を設定するのが
  基本である。
  ・収差とプリズム作用の発生を少なくし、レンズの光学性能が最高に
   発揮されるようにするためである。
  ・高さのずれ(瞳孔中心と光学中心の上下方向のずれ)が発生すると、
   上下プリズムが発生する。
   上下方向では融像幅が少ないため、上下プリズムの発生は疲れの
   原因となりやすい。
   従って、水平方向以上に上下の高さの違いに配慮するのがよい。
  ・ただし、レンズメーターで測定したときは、上下のプリズムメガネと
   読み取られることがある。


 ●斜視のため(上下斜視)左右眼の高さに大きな差かあるよう
  に見える場合斜視眼に抑制があることが多い。この場合は片眼遮閉

  状態で左右眼の高さを測定し作製する。

 

3.片眼PDに差があるお客様の遠近両用累進メガネのPD設定について


 ●片眼PDに合わせて作製するのが基本である。
 ●片眼PDが異なる場合に片眼PDにピッタリ合わせると、近方
  を正面視したとき、左右眼の内寄せ量の違いから、近用アイ
  ポイントがわずかにずれるため、調整してもよい。
   ※正面という感覚には個人差があり、お客様一人ひとりの近方視
    状態で確認するのがよい。

   (実測)       (眼前35cmを正面で近方視したとき)
      RPD 36mm  右眼内寄せ量 2.68mm
      LPD 32mm  左眼内寄せ量 2.38mm
   (作製例)
      RPD 35.5mm   
      LPD 32.5mm 

 

 片眼PDが異なる場合に均等
 PDで作製すると…

 ・アイポイントのずれが発生し、
  特に中間から近方視に問題が
  生じる。
 ・近方が正面で見づらい。
 片眼PDに合わせてピッタリ作製  すると…
 ・近方を正面視したとき、左右眼の
  内寄せ量の違いから、近用アイ
  ポイントがわずかにずれる。

 

4.左右眼の高さに差があるお客様の遠近両用累進メガネのアイポイントの設定について


●左右眼の高さに合わせて作製するのが基本である。
●左右眼の高さが異なる場合にアイポイントの高さをピッタリ合わせると、近方視した時に左右眼の下方回旋量の違いから、近用アイポイントが僅かにずれるため、調整してもよい。
   

遠用アイポイントの高さ3mmの違いは、近方視で約0.3mm高さの差が少なくなる。

   (実測) RPD 23mm  右眼利き目 →(作製)RPD 23mm 
         LPD 26mm             LPD 25.5mm 

5.仮枠装用テストでの注意点は?


 ●単焦点メガネでは
  ・通常通りの装用テストで大きな問題は発生しない。
  ・上記事例で視力や装用感の問題があれば、左右眼のPDの問題
   でなく、他の要因を考えた方がよい。
 ●累進メガネでは
  ・近方視のとき、正面より左右に少しずらした方が見やすい。
  ・装用テスト時に左右眼のアイポイントの高さが著しく異なるときは、
   仮枠の傾きを調整する。

  (片眼PDのセットできるテスト枠、傾きを調整できるテスト枠が発売

   されている。)

 

6.測定時の注意点は?


 ●片眼PDの測定では
  ・お客様の真正面にて測定する。
   40cm離れ、メジャーを頂点間距離12mmにセットして測定する場合、
   仮に正面から3cmずれるだけで約1.8mmの誤差が生じる。
  ・片眼PDメジャーを鼻根部中央に正確にセットする。

  (セミフィッティング後のフレームで、アイポイントを確認すると、片眼PD

  をより確実に設定できる。)


 ●アイポイントの高さ測定では
  ・セミフィッティング後に測定する。
  ・お客様と同じ目線の高さで測定する。

コンテンツ提供:WOC

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