UVカットレンズにおける 太陽紫外線防御効果について

夏が近づいてくると、テレビ番組や雑誌などで紫外線に関する情報提供が多くなってきます。その内容は様々ですが、ここでは『眼と紫外線』に関する情報を まとめてみました。報道の仕方などで、お客様が勘違いされている事もありますので、専門家として正しい情報を理解し、メガネ、サングラスのアドバイスに役 立ててください。

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1.まず、紫外線についての基礎知識


 
「可視光線」の中で最も波長が短い「紫」より更に波長が短い光が「紫外線」です。英語では、Ultra Violet(紫の外)と表し、日本でもこの頭文字を使い「UV」と表現することがあります。
更に「紫外線」は波長により次の3種類に分類されています。

 

UV-A
A紫外線
波長315~380nm
〔320~400nmとすることもある〕
地表に届く
UV-B
B紫外線
波長280~315nm
〔280~320nmとすることもある〕
多くはオゾン層に吸収
されるが、一部が地表に届く
UV-C
C紫外線
波長100~280nm
オゾン層に吸収され、
地表には届かない

 

2.紫外線が眼に与える影響

 

UV-A
A紫外線

肌を黒くする「サンタン」に関係します。水晶体まで届きますので、長い年月の間の蓄積が白内障の原因になると懸念されています。

UV-B
B紫外線

肌に炎症を起こす「サンバーン」に関係します。角膜に吸収され、角膜の炎症(急性紫外線障害:雪目)を起こす原因といわれています。また、白内障の原因のひとつとも言われています。
   

3.眼球部位の紫外線(波長別)吸収率

 

眼の透光体は、網膜を紫外線から守るフィルターの役割を持っています。波長の短い(刺激の強い)紫外線は図のように角膜、房水、水晶体で吸収されます。

4.眼鏡レンズでの紫外線カット率


 それでは眼鏡レンズではどの位紫外線をカットしているのでしょうか?
 下に、ニコン・エシロール社のカタログよりガラス、プラスチックなどそれ
 ぞれのレンズでの紫外線カット率を示します。

 

素 材  UV-B 
カット率
 UV-A 
カット率
紫外線カットする波長
n=1.50  100% 93% 355nm以下カット
n=1.60  100% 98% 380nm以下カット
UV400 n=1.50  100% 100% 395nm以下カット
UV400 n=1.67  100% 100% 395nm以下カット
UV400 n=1.74  100% 100% 395nm以下カット
ガラス  n=1.605 100% 58% 334nm以下カット
ガラス  n=1.807 100% 62% 332nm以下カット
ガラス調光 n=1.60  100% 91% 345nm以下カット

 

5.濃いサングラスを掛けると、瞳孔が開いて紫外線入射量が増えるのは本当?


 「濃いサングラスを掛けると目によくない」と思っている方がいますが、本当でしょうか?これは、「濃い色のサングラスを掛けると瞳孔が開いてかえって多くの紫外線が目にはいる」というイメージでそう思ってしまう場合があるようで、中にはサングラスを掛けていない時よりも、掛けた方が悪いと思っている方もいます。


では、実際はどうなのでしょうか?

 

まず、濃いサングラスを掛けると、どの程度散瞳するのでしょうか?
 

 大学の教授が実験をしたデータを示します。

サングラス装用の有無による瞳孔径、眼瞼幅の変化
サングラス
の種類
500nm
透過率
紫外線透過度 瞳孔径 瞼裂幅
中国製 15% < 400nm : 0% 2.5 8.7
韓国製 20% 330-400nm : 32% 2.5 8.0
米国製 25% 360-400nm : < 2% 2.5 7.8
日本製 30% 350-400nm : 3% 2.3 7.2
サングラス
なし
100% 100% 2.3 4.0
屋外相当照度:10,000lx
文献(照度変化に伴う、眼裂高・瞳孔径の変動  臨眼53(4):769-772、1999)より

 結果より
  瞳孔の大きさは可視光線(500nm)透過率30%までは変化がなく、
   25%から0.2mm大きくなっています。
  ・瞼裂幅(まぶたの開き幅)は可視光線(500nm)
   透過率30%でも4.0mm(サングラスなし)から7.2mmになっています。
  確かに瞳孔は大きくなりますし、まぶたの開き幅も広くなっています。

 

但し、勘違いしないでほしいことは


☆濃い色のサングラスを掛けた方がサングラスなしより圧倒的に紫外線カットができます。
  それは・・・
  ・瞳孔及びまぶたの開き幅が少し大きくなっても紫外線カットのレンズ
   であれば、レンズを通過して眼に入る紫外線は限りなくゼロに近い。
  ・レンズの大きさやフィッティング状態によるが、周辺部から入る紫外
   線は当然、裸眼状態より圧倒的に少ない。
  などにより、
 「色の濃いサングラスは色の薄いサングラスに比べると、ほんの少し
 だけ眼に入る紫外線量は多くなる可能性があるが、掛けていない
 時よりは、圧倒的に紫外線カットできている
」ということになります。

  参考資料 《室外・室内の照度》
  照らされる場所の明るさは、照度(ルックス)で表されます。

夏の晴天時 100,000ルックス 冬の晴天時 50,000ルックス
夏の曇天時  50,000ルックス 冬の曇天時 15,000ルックス
郊外店舗 昼の明るい場所(屋内) 1,000~1,500ルックス

 

6.サングラスの大きさ、フィッティングについて


 UVカットのレンズは色の濃さに関わらず、レンズを通る紫外線はほぼ100%カットできます。
 但し、レンズの大きさが小さい時や、フィッティング状態が悪くずれた状態で掛けていると、周辺部の隙間から紫外線が侵入してしまうので防御効果が少なくなってしまいます。(紫外線は地面や壁などに反射して、下や横方向からも侵入します。)
 ファッションよりUVカットを重視されるお客様には、十分目の周りを保護できるサングラスをご提案し、的確なフィッティングをお願いします。 また、つばの広い帽子や日傘を併用するとより効果的になります。

 サングラスは紫外線カットとともに、眩しさ防止の役割があります。適切な濃さのサングラスを上手に活用いただくようにアドバイスしましょう。

コンテンツ提供:WOC

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