
不同視のお客様対応について、実際のお客様事例をもとに対応のポイントを紹介します。
「不同視のお客様対応」と併せてご覧下さい。
<お客様のお声>
<疲れの原因は?> 左右差 → 筋性眼精疲労
<対応のポイント> |
<お客様事例>
「新しいメガネが欲しい」とご来店
◆42歳 男性
◆お伺いから
・現眼鏡で遠方・近方ともによく見える。
・左右眼に度数差があるためか疲れやすいが我慢できる範囲内だ。
・コンタクトレンズは目に合わなかった。(装用感に問題あり)
・50~60cmの距離で視線を左右交互に移動する仕事で疲れを感じる。
◆オートレフ値
PD68mm
R)S-7.75D C-0.50D A178゜
L)S-4.50D C-1.50D A179゜
◆現在ご使用眼鏡について
○度数とPD
RPD 33.5mm
LPD 33.5mm
R) (0.8×S-6.50D C-0.50D A180゜)
L)(1.2×S-4.50D C-0.50D A180゜)
BV(1.5p)
○フレームとレンズ
・フレーム:メタルⅡブリッジタイプ56Φ
・レ ン ズ :ガラスマルチコート・1.70n
○フィッティング状態
・頂間距離 :12mm
・光学中心:瞳孔中心下方6mm
◆雲霧法測定による完全補正値
RPD 35.0mm
LPD 32.5mm
R)(1.5×S-7.50D C-0.50D A180゜)
L)(1.5×S-4.25D C-1.00D A175゜)
BV(1.5) 利き目:左眼
◆調節力、眼位は問題なし
◆ 両眼単一視あり(抑制なし)
◆ 作製眼鏡について
○度数とPD
RPD 35.0mm
LPD 32.5mm
R)(0.8 ×S-6.50D C-0.50D A180゜)
L)(1.5p×S-4.25D C-0.75D A180゜)
BV(1.5p)
※左右眼の度数と視力のバランスに配慮し、現眼鏡の度数差をほぼ継承
※片眼PDを測定し、正確なアイポイントの設定
この事例では、度数の強い右眼のPDが広く、厚みの点でもバランスがよい。
○フレームとレンズ
・フレーム:メタルⅠブリッジタイプ52Φ
・レ ン ズ:ガラスマルチコートレンズ・1.70n
※玉型サイズを小さくし、プリズム作用の発生が大きい周辺部をカットただし、必要視野の確保に留意すること
○フィッティング状態
・頂間距離 :10mm
・光学中心:瞳孔中心下方2mm
※頂間距離を狭くすることで側方視したとき光学中心からのズレ量が少なくなり、プリズム作用の発生量を軽減
※像の拡大・縮小率の差を少なくし、不等像視の発生を軽減
※アイポイントの高さを用途に合わせて設定し、プリズム作用の発生量を軽減
両眼単一視のある不同視メガネでは、不等像視と周辺視時のプリズム作用の左右差に注意が必要です。周辺視時のプリズム作用の左右差については、特に、視線の移動が多い作業環境やテニスのようなスポーツでは、周辺部で見るとき両眼の視線にズレが生じるため、そのズレを修正する融像に負荷がかかり疲れや時には複視が起こります。
【解説図 ①】
見る方向によってプリズム作用が変化します。

右方視で光学中心から2cmのポイントで見たとき R:6.50×2=13.0△BO L:4.25×2= 8.5△BI 両眼では:4.5△BOのプリズム作用が発生 |

左方視で光学中心から2cmのポイントで見たとき R:6.50×2=13.0△BI L:4.25×2= 8.5△BO 両眼では:4.5△BIのプリズム作用が発生 |
【解説図 ②】
アイポイントを正確に合わせ、プリズム作用を最小限に抑えます。


コンテンツ提供:WOC
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