<お客様>
◆57歳 男性
・ 二焦点メガネを2~3本使い分けされています。
・ 炎症性の疾患で視力が低下しています。 左眼は黄斑円孔の手術をされ変視症が少しあります。
◆作製眼鏡について
○作製度数
RPD34mm
LPD34mm
R)0.4(0.5×S±0.00D C-0.25D A80゜Add+3.00D)
L)0.3(0.6×S-0.25D C-0.50D A80゜Add+3.00D)
○フレームとレンズ
・フレーム:フルリムメタルⅡブリッジタイプ 56サイズ
・レ ン ズ:ガラス二焦点マルチコート・窓幅28mmタイプ

◆問題解決へ向けての提案
提案(1)二焦点メガネを上下反転で作製

メリット
・上方近用視野が広い
・提案(2)よりも上方回旋が少なくてよい
・遠用視野が広く、足下も見やすい
・シームレスタイプを選べば境界線が目立たない

デメリット
・近用部小玉が上にあり、美観的に違和を感じる
・境界線のチラツキが気になる
提案(2)累進レンズを上下反転で作製

メリット
・境界線がないので美観がよい
・境界線のチラツキがない
・足下が見える(正面もある程度は見える)
デメリット
・上方近用視野が狭い
→中近、近々両用レンズで改善の可能性あり
・累進帯があるので上方回旋が強要される
→中近、近々両用レンズで改善の可能性あり
→累進帯の短いレンズが適している
・近用部が入る上方の視界が広い玉型フレームが必要
提案(3)ハネ上げ(アルバイト)メガネ


◆お客様が上下反転の二焦点メガネ(提案1)を選択された理由は?

○美観より機能性を重視された
○上方部近用視野が広く見やすかった。
○眼疾患のため視力低下があり、より視力重視のレンズが必要だった。
○累進レンズでは、正面のボヤケや側方のボヤケが気になった
○配線図を見るときは、上に持ち上げれば見える。
○現在すでに二焦点メガネをご使用である。
◆上下反転の遠近両用メガネのレンズ注文は?
○左右眼の度数を逆に注文します。
右レンズを左レンズ度数で注文
左レンズを右レンズ度数で注文
単に上下逆に作製すると近用部が外側にずれます。
上下反転の遠近両用メガネが適応する類似例として、果樹の剪定や受粉作業などがあります。
また、ゴルフ用に二焦点メガネの近用部を上方に少し入れてスコアの記入ができるようにしたという事例もあります。
お客様お一人おひとりの視生活に合わせた提案の一例です。装用テストでご納得いただくことが大切だと思います。
コンテンツ提供:WOC
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