「近用メガネで遠くを見ると遠視が進む!」って本当?

近用メガネで遠くを見ると遠視が進む!?

「手元用メガネなので遠くは見えません。

また、遠くを見ると遠視が進みます。」

 

何回か耳にしたことがある説明です。

 

でも、なぜ?


本当に遠視が進むのでしょうか?

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近用メガネで遠方を見ることと遠視の進行は関係ありません
単に、視力と装用感の問題です。
 ・ピントが合わず遠方は見えない。
 ・近用メガネを装用してピントの合わない遠方を見ると疲れる。
 ・像の拡大や収差のため違和感が生じる(クラクラする)。

 

 

<その理由は?>


 裸眼で日常生活を送っている近視の人は、近用メガネを掛けて生活しているのと同じ状況となりますが、特別に近視が弱くなったとか近視が治ったという話は聞きません。 
 遠視の要因は、「眼軸長が短い」「眼屈折力が弱い」です。あるいは2つの要素の複合です。
 

○近用メガネで遠方を見ることで眼軸が短くなるとは考えられません。
○近用メガネで遠方を見ることで眼屈折力が弱くなるとは考えられません。

 

<根拠のない話を耳にするのはなぜ?>
なぜ「近用メガネで遠くを見ると遠視が進む!」という根拠のない話を耳にするのでしょうか?


近用メガネが必要となる40歳代以降は、丁度「加齢性遠視」の出現と進行が見られる年代と一致します。しかも、45~60歳が老視、加齢性遠視ともに進行が最も顕著な時期となります。
 

この年代の遠視の進行は、近用メガネが原因ではなく加齢に伴う生理的変化と考えるのが妥当でしょう。

したがって、遠近両用メガネご使用のお客様にも同様に遠視の進行が見られることが多いのです。

正視の人は弱度の遠視に、遠視があった人は遠視が進み、近視の人では近視度が弱くなる傾向が見られます。

 

※1一人の方の度数変化ではなく、年齢群の平均値をグラフ化したものです。
※2加齢性遠視の度数変化は+1.00D~+2.00程度変化するのが一般的です。
※3中強度の近視の人は遠視化が少なくなる傾向があります。

 

 

<加齢性遠視とは?>
 40歳代以降での加齢に伴って起こる遠視化を「加齢性遠視」と呼びます。遠視化の光学的要因として、角膜屈折力や水晶体屈折力の減少、眼軸長の短縮、透光体の屈折率の変化などが考えられていますが、最大の要因は水晶体屈折力の減少にあると考えられています。

 

○水晶体屈折力の減少の要因として次の2つがありますが、①が有力です。

水晶体屈折率の減少(水晶体が低屈折率のレンズに変化)
②毛様体筋の生理的緊張が減少(水晶体が薄くなる)
 →しかし、実際には水晶体は加齢と伴に厚くなる傾向がある。
                                     (図 参照)

<参考文献>

「眼科MOOK 老人と眼」戸張幾生 編集、1986年、金原出版

「眼科MOOK 近視」保阪明郎 編集、1987年、金原出版

コンテンツ提供:WOC

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