「遠視のお客様測定について」 -二色テストで調節を効果的に解除する方法-

二色テストで調節を効果的に解除する方法

遠視のお客様測定に、二色テストを活用して調節解除を試みた事例を紹介します。
若年の遠視のお客様は調節が介入しやすく、雲霧法、あるいは両眼雲霧法が基本ですが、測定に時間がかかります。二色テストを組み合わせた効率的な手法を紹介します。

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<お客様事例>「本を読むと目が疲れる」とご来店
   

◆28歳 女性 主婦
◆眼鏡歴:子供の頃に遠視眼鏡を装用していた。眼科で左眼にCL
     装用を薦められたことがある。左眼の視力が上がらない。
◆裸眼視力
 R)1.5
 L)0.4

(前回の測定記録:7日前)
 ○完全補正値:フォロプターで測定
R)S+0.50D C-0.25D A60゜ (1.5)
L)S+1.25D C-0.75D A165゜(0.5p)
 ○オートレフ値:
R)S+0.25D C-0.50D A86゜
L)S+1.25D C-1.25D A164゜

 

(今回の測定記録)
 ○完全補正値:二色テストを活用し仮枠で測定
R)S+1.00D C-0.25D A85゜ (1.5)
L)S+4.75D C-1.00D A180゜(0.8)
 ○オートレフ値:
R)S+0.50D C-0.25D A15゜
L)S+2.50D C-1.00D A154゜
 ○提案眼鏡作製度数:
R)S+0.50D              (1.5)
L)S+3.00D C-0.50D A180゜(0.7p)

 

 


<調節を解除する方法(雲霧法)>
 

遠視では、調節の働きを取り除いて潜伏している遠視を引き出すことが測定のポイントです。
 遠視の場合、調節なしでは近方はもちろん遠方にもピントが合わないため、いつも水晶体を膨らませて見ています。水晶体が膨らんだ状態(=調節が働いている状態)のまま測定すると、遠視が潜伏し正しい測定ができません。
 そこで、水晶体が薄くなる(=調節を休止させる)状況を作って、本来の遠視度を測定する方法がとられます。その一つが雲霧法で、故意に強めのプラス度数を装用させて遠方をぼやけさせ、視標にピントを合わせようとする調節の仕組みを逆利用して、膨らんだ水晶体が薄くなるように導くのです。

 

 


<二色テストに応用し調節を解除する方法>
 雲霧法の原理を二色テストに応用します。二色テストでは調節が働くと赤の視標にピントが合いやすくなり、調節が解除されると緑の視標にピントが合いやすくなります。
 そこで、「緑の方をしっかり見て下さい」と声をかけた後、「赤と比べてどちらがよりはっきり見えるでしょう?」と尋ねます。緑画面へのピント合わせを意識したとき、緑画面の視標が見やすくなれば、まだ調節が働いていたことになりますのでプラス度数を加えます。再度、緑画面へのピント合わせを促し比較をします。そして、緑画面に意識的にピントを合わせようと試みても、「同等」「赤が見やすい」となったとき、水晶体が最も薄くなった(=調節が除去された)と判断し、その時の度数を遠視度数とします。

 

○この測定は、片眼ずつ行い他眼は遮閉します。
○最初の度数設定は、R=Gの球面度数とし、他覚的(オートレフ値)に乱視があるときは、乱視を補正して始めます。(弱度の乱視は無視してよい)
○プラス側へ度数を変更するときは、S+0.50Dずつがよいでしょう。
○R=Gの球面度数の測定後、乱視の調整と両眼調節バランスを行います。
○フォロプターで測定できますが、器械近視の影響を考えると、仮枠での測定がよいでしょう。

二色テストと調節
二色テストと調節

※上記図の調節の状態

・上段 R=G

・中段 に意識を集中すると「調節介入」

・下段 に意識を集中すると「調節解除」

<ポイント>
赤と緑のうち、緑の方をしっかりと見てもらった後、赤と緑の視標の見え方を比べてもらうようにすることです。

コンテンツ提供:WOC

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