<事例報告>
複式アルバイトメガネの作製例
○通常で遠用メガネ、ハネ上げたときに近用メガネとなる事例です。
○作製度数
R)31mm(1.0×S+1.00D Add+2.50D)NPD29mm
L)31mm(1.0×S+1.50D Add+2.50D)NPD29mm
◆ 内枠のレンズ度数
R)29mm(S+3.50D)
L)29mm(S+4.00D)
◆ 外枠のレンズ度数
R)28.2mm(S-2.50D)
L)27.8mm(S-2.50D)
○遠方視では、内枠の近用度数で生じるプリズム作用が相殺されるように外枠にセットするレンズの光学中心を調整します。
◆水平方向のプリズムと光学中心の調整
<遠方視のとき内枠レンズで発生する水平方向プリズム効果>
R)3.5×0.2=0.7 0.7△ BI
L)4.0×0.2=0.8 0.8△ BI
<プリズムを相殺するための外枠に入れるレンズの光学中心>
R)0.7=2.5X X=2.8
光学中心を2.8mm狭く作製
L)0.8=2.5X X=3.2
光学中心を3.2mm狭く作製
打ち消すためにBOのプリズムを発生させる。

◆垂直方向のプリズムと光学中心の調整
(遠用と近用のアイポイント高さに4mmの差があるとした場合)
<遠方視のとき内枠レンズで発生する垂直方向プリズム効果>
R)3.5×0.4=1.4 1.4△ BD
L)4.0×0.4=1.6 1.6△ BD
<プリズムを相殺するための外枠に入れるレンズの光学中心>
R)1.4=2.5X X=0.56
遠用アイポイントより光学中心を5.6mm低く作製
L)1.6=2.5X X=0.64
遠用アイポイントより光学中心を6.4mm低く作製
打ち消すためにBUのプリズムを発生させる。

光学中心のズレ(偏心)によるプリズム効果を考えて対応しましょう。
そのとき必要な計算式がプレンティスの公式です。
△ = D × h(cm)
コンテンツ提供:WOC