
「揺れ・歪みに慣れず、累進レンズは使えないもの・・・と、諦めておられるお客様へ」
メガネの掛け外しは煩わしいと思いつつ、累進メガネは使いづらいものと、諦めておられるお客様がおられます。
累進レンズの揺れ・歪みから、装用を躊躇されているお客様への提案で意識しておきたい6つのポイントをまとめてみました。
なぜ累進レンズの装用を諦めたのでしょうか?
1) 一度作製したが使えなかった。
2) 装用テストで使えそうになかった。
3) 累進レンズは使いにくいとの話を聞いた。
→ ご体験で試していただくのが一番です。
揺れ・歪みを軽減させる「6つ」の対応ポイントは?
●ポイント1● 加入度数から
・加入度数を弱めにすると、揺れ・歪みが軽減され慣れて頂けることを、装用テストでご体験いただく。
・足元のぼやけが少なくなり、歩きやすい。
●ポイント2● 累進帯長から
・累進帯の長めのタイプを選択する。
(15~16mm、両面複合・内面累進は14mm可)
●ポイント3● レンズ設計から
・両面複合設計、内面累進設計では、さらに自然な装用感が得られる。
弱度の加入度でも違いが分かるが、+2.00D以上の加入度において効果が大きい。
●ポイント4● 頂点間距離から
・累進トライアルレンズは仮枠の中央あるいは内側にセットする。
頂点間距離を短くすることで揺れ・歪みは軽減する。
●ポイント5● アイポイント高さから
・遠用アイポイントを低めにセットし装用テストを行う。
(フィッティングする)
●ポイント6● 遠用度数から
・累進レンズでなく、遠用作製度数に問題がある場合がある。装用感のよい遠用補正度数の設定をする。
・加入度数が少なくなるように、球面補正度数に配慮する。
以上の6つのポイントを複合的に駆使することで、お客様のご不安を解消して差し上げましょう。
ただし、上記の対応の多くは近方が見づらくなることから、最低限の近方視ができるようにします。
立った状態で確認いただくと近用部が使いやすく、また近用距離が長くなるので加入度数が弱くても十分見えます。
外出先での近方視(買い物時など)に便利です。
長時間の近業には近用専用メガネをお薦めし、用途に合わせた使い分けをお勧めしましょう。
お客様事例
「遠近両用メガネは作ったものの足元が怖くて使っていない。」 (女性 60歳)
ご持参眼鏡度数
1.(SEIKO 外面累進ショートタイプ)
RV:(0.8×S+0.25D Add+2.75D)
LV:(0.9×S+0.50D Add+2.75D)
ND40cm
2.(近用単焦点)
NRV:(0.8×S+3.00D)
NLV:(0.8×S+3.25D)
ND40cm
完全補正度数
RV:0.7(1.0×S+1.00D Add+2.50D)
LV:0.7(1.0×S+1.00D Add+2.50D)
ND37cm
提案眼鏡度数
(SEIKO 内面累進 14mm)
RV:(1.0×S+0.75D Add+2.00D)
LV:(1.0×S+0.75D Add+2.00D)
ND45cm
加入度数と非点収差量の比較

Add +1.00D
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Add +2.00D
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Add +3.00D
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コンテンツ提供:WOC
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