累進レンズの手元が見づらいとおっしゃるお客様への提案

「累進レンズは手元が見づらい。もっと見えるようにならないの?」
累進屈折力レンズ装用テストでのお客様の声です。声に出さないまでもこのように感じるお客様は多いのではないでしょうか。累進メガネの限界を理解しつつも、お客様のご要望に応え不安を解消すべく考えてみましょう。

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<「手元が見づらい」に含まれる2つの要素>
 1)ピントが合いづらくハッキリ見えない。
 2)視野が狭くて見づらい。

 

<手元のものにピントが合わない>

●加入度数から
・加入度数を強くする
・遠用度数をプラス側に調整し、結果として近用度数を強くする。

●累進帯長から
・累進帯長の短いレンズに変更し、近用部を使いやすくする。下方回旋が少なくてよい。累進帯の短いレンズは近用部側方の視野がやや広く設計されている。

●アイポイント高さから
・近用部が十分使えるようにアイポイントを高くする。
(テスト枠のパッド高低でアイポイントを調整する)

●頂点間距離から
・頂点間距離を長くする。(近用部が十分使えるように)
・累進テストレンズを、テスト枠の中央部にセットする。
(内側にセットするとテスト枠が近用部の視野を遮る問題も生じる)

●レンズ設計から
・HOYA系やNIKON系の累進レンズは、近用部がシャープに見える設計上の特徴がある。

●近見距離と下方視から
・テーブル式の測定台では、装用テスト時にテーブルを下げて近用距離を十分確保する。

 

<手元の視野が狭い(すべてのケース共通)>
●頂点間距離から
・頂点間距離を短くする。

●加入度数から
・加入度数を弱める。
 収差が減少し、累進部から近用部の視野が広がる。

●近見距離と下方視から
・新聞、雑誌、書類などを寝かせることによって、累進40~50cmが明視できるようになり、奥行きと視野が広がる。

 

<手元の視野が狭い(30~40cmの近距離)>
●累進帯長から
・累進帯長の短いレンズを薦める。(14mm以下)

 

<手元の視野が狭い(50~60cmの中間距離)>
●累進帯長から
・累進帯長の長いレンズを薦める。(15~16mm以上)

●レンズ設計から
・内面累進、両面複合累進を薦める。
・収差分散型のSEIKOがよい。SEIKOの内面累進ならなおよい。

 


<お客様事例>

 「読むのはよいが書くときにピントが合わない。」(男性53歳)
・・・・装用テスト(1)

書くときは前かがみになることから、近用距離が短くなる上に累進部を使うこととなり、ピントが合わなくなった事例です。近視のお客様に見られる傾向です。

 

 

(対応のポイント)

・・・・装用テスト(2)で問題解決
1.累進帯の短いタイプに変更

(SEIKO内面累進14mm → SEIKO内面累進12mmへ)
2.加入度数をアップして書くときの近用距離へ対応
(ND40cm → 37cmへ)
3.より近方にピントが合いやすいように遠用度数を調整
(球面度数を弱め、乱視度数を入れる)

 

<お客様データ>
(ご使用眼鏡)(SEIKO内面累進14mm)
  RV:(1.0×S-4.25D Add+1.25D)
  LV:(1.0×S-4.50D Add+1.25D)

 

 

(完全矯正度数)
RV:(1.2×S-4.25D C-0.50D A90゜Add+2.00D)
LV:(1.2×S-4.50D C-0.50D A90゜Add+2.00D)ND40cm

 

 

(装用テスト)
(1)(SEIKO 内面累進 14mm)
RV:(1.0×S-4.25D Add+1.75D)
LV:(1.0×S-4.50D Add+1.75D)ND40cm

(2)(SEIKO 内面累進 12mm)
RV:(1.0×S-4.00D C-0.25D A90゜Add+2.00D)
LV:(1.0×S-4.25D C-0.25D A90Add+2.00D)ND37cm

                  

 

コンテンツ提供:WOC

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