
光学的には、遠用・常用眼鏡では180°、近用眼鏡は170°を基準とします。

○遠用・常用眼鏡の調整方法
(累進レンズのフィッティングポイントが遠用PDの場合も含む)
1.デモレンズ前面にお客様の遠用PDを左右均等にマーキングする
2.デモレンズ前面にメジャーを当て、マーキングとメジャーの接点が一致するようにそり角を調整する。


○近用眼鏡の調整方法
(累進レンズのフィッティングポイントが近用PDの場合も含む)
1.デモレンズ前面にお客さまの遠用PDより8mm(片眼4mm)広い点を、左右均等にマーキングする。
2.デモレンズ前面にメジャーを当て、遠用PDより8mm広いマーキングとメジャーの接点が一致するようにそり角を調整する。
※以上、光学的観点から解説しましたが、遠用・近用いずれの場合も外観を重視して、智側のリムがブリッジ側のリムより前に出ないようにします。

まずここまでを行い、その後、テンプル幅や傾き、パッド・モダンを合わせ、アイポイントを測定します。
以上の調整を行う事により視線とレンズ光軸が一致しやすくなり、レンズの光学性能をより引き出すことになります。
「そり角」に関する光学的影響は?
そり角が大きくずれると、視線とレンズ面が斜交し非点収差が発生します。
例)そり角が片眼で5度ずれると非点収差により
○ S-4.00D → S-4.01D C-0.03D AX90°
○ S-7.00D → S-7.02D C-0.05D AX90°
と、度数効果が変化します。

S-4.01D C-0.03D AX90°
S-4.00D
ほんの少しの調整で、お客様により快適なメガネをご提供することが出来ます。
今回はそり角の簡便な確認方法を紹介しました。
どうぞフィッティングにご活用下さい。
コンテンツ提供:WOC