
ニ焦点レンズの小玉の光学中心に印点を打ったことがありますか?小玉の幾何学中心にコロナが出ず、コロナをレンズメーターの中心に持っていこうとすると、小玉からはみ出でてしまったという経験はないでしょうか。
以前、あるお店でニ焦点レンズを眼科処方箋にて販売した時、眼科医から小玉の光学中心がずれているという指摘を受けたこともあります。
今回は、この小玉の光学中心について考えたいと思います。
ニ焦点レンズには、遠用の光学中心と小玉の光学中心があります。
さらに遠用と近用の合成による合成光学中心が存在します。
小玉だけならば幾何学中心と光学中心は一致しますが、遠用部と小玉が合わさっているため、
合成光学中心が現れます。
この合成光学中心と幾何学中心はほとんどの場合一致しませんが、実はそれで合っているのです。
では、どのようにずれるのかをあらかじめ知る方法はないのでしょうか?
実は、知る方法があります。
以下の式に当てはめてみて下さい。



最後に、このような状態では眼は疲れないのだろうかという疑問がわきます。
左右ほぼ同じプリズム作用がおきているのであれば、問題になることはありません。しかし不同視などの場合は、プリズム作用が左右で違ってきますので、確認が必要です。
小玉の合成光学中心の知識と、どこに合成光学中心が現れるかを計算で出せると、レンズについてあまり知らない方への適切な説明等ができると思いますので、活用してください。
コンテンツ提供:WOC